電力及び蒸気の有効利用
VOC処理機能付MGTでVOCを高効率に処理し、発電及び蒸気回収されたエネルギーが工場に全量利用されると、大きな経済的メリットを生み出します。
年平均275kw(附帯設備を含まず)の発電でデマンド契約の見直し夏場のピークカット等で、相乗効果が得られます。
また、製造された蒸気で既存の蒸気ボイラ等の負担も大きく軽減されます。
(1)電力の系統連係
工場が自家発電を行う場合、契約電力会社と系統連係を行ないます。
系統連係契約には系統連係(逆潮流有り/逆潮流無し)と系統分離があります。
パターンAの場合は系統連係/逆潮流無し、又は系統分離で定格出力の発電が可能となります。
パターンBでは、系統連係/逆潮流無しで出力制御を行うのが一般的でしたが、系統連係/逆潮流有りを選択し、余剰電力を外部(電力会社)の逆潮流することで定格出力の発電が維持出来ます。(2)蒸気の有効利用
VOCを高濃度で処理すると、発生する蒸気量も増加します。(図1 参照)
発生された蒸気が優先的的に使用されるシステムの構築が必要となります。
パターンBの余剰蒸気が発生する場合は、既存の空調・圧縮空気製造・発電等に蒸気を優先利用することで、電力負荷を低減することが出来ます。(図2 参照)
図1:稼働時間とエネルギー負荷
図2:蒸気の有効利用方法
工場全体の省エネルギーとCO2削減
一般的な燃焼式脱臭装置の導入は、附帯装置の電力及び燃料コストの上昇とCO2の増加に直結します。
VOC処理機能付MGTでの高効率運転を実施しても、電力及び蒸気の有効利用無くしてはメリットを享受出来ません。
工場全体のエネルギーの使用状況の抜本的な見直しと再構築の中でVOC処理を位置づける必要があります。