(1)動線・レイアウトの設計
- 食品,医薬品,半導体を問わずこの検討が第1条件であり、ラインの効率的配置、生産性を考慮した最重要条件の計画
- 新設・改修を問わず建築基準法、消防対応、保健所対応もこの時点で設計条件に組込む為の情報を整理
- 溶剤危険物対応,一般取扱所ゾーニング,室内の洗浄薬品対応も同時に検討
- 工場内作業環境、近隣環境、及び社会的環境対応も検討
- クリーンルームと前室,輻射熱,顕熱,潜熱,異物発生区域とのゾーニング
(2)設計条件の把握(空気条件・設備機器・熱源)
- 防虫防塵清浄度及び各ゾーンの優先順位の決定
- 発生源である熱,水分,薬品の負荷特定と温湿度条件の検討及び通年 条件の決定
- 各ゾーンにおける清浄度・クリーン度クラス条件の決定
- 各ゾーンの設置機器、汚染源の有無、クリーンルーム使用における 作業人員、稼働時間、生産プロセス、生産機械の仕様及び運転条件、クリーンルーム使用目的の実態把握
- 各地域毎の外気条件の把握
(3)空調方式の検討
- 熱源機器,熱交換機器,空気のフロー検討
- オールフレッシュ方式,循環方式,OA取入方式,EA処理方式の一体検討
- 対流方式,陽圧,中圧,負圧のゾーン検討
- 加温、加湿、冷却、除湿の方式検討
- 設計条件を満たすOA量,循環量,EA量と処理方式の検討
- 粉体処理、薬品対応の特殊条件の検討
- クリーンルーム内で発生する異物除去方式・除塵方式の検討
- 現状設置されている空調機,給排気設備の有無の把握と、有効活用の検討
- 安全性,効率,省エネ性,緊急対応性耐久性,保護回路の検討
- 計装制御、ハード及びソフト条件の検討
(4)ユーティリティー・仕様の検討
- OA処理,プレ,中性能,HEPA,ULPA,耐熱,SUS枠,セパレータ仕様の検討
- ブースにおける断熱性,非断熱性,SUS〜フッ素鋼板,不燃,耐火,難燃, 標準仕様の検討
- ダクト,冷媒,冷水,スチーム,給水,排水,電源の経路・供給等の検討
- ブース天井裏をユーティリティーゾーン活用
- 塵埃の滞留しにくく洗浄が要易な床R構造の検討
- サニタリー室、エアーシャワー、シート、シャッター、 ドッグシェルター、薬品・油・温水に対応した塗床仕様
- 各室の建具仕様,寸法,開閉方式,インターロック,Fix窓,仕様の検討
- AS,シートシャッターの仕様検討
- クリーンルーム内及びサニタリー等で使用する備品類においても、クリーンクラスや使用条件に適合した仕様の検討
(5)管理・メンテナンスの検討
- メンテナンスは、クーリーンルームの品質を維持,再生産する最大機能 であり、設計段階にてメンテナンス方法、メンテナンススペースの検討を行い、稼働に合わせた最適なメンテナンスを計画
- ハードのメンテンナンス(定期点検)とソフトのメンテナンス(日常点検)の基本計画の検討
- 集中管理,モニタリング管理,マニュアル管理等の管理方式の検討
- 緊急時や、突発時における処理措置、対応を見越した検討
- 目的と質を前提とした上で、効果を最大現発揮できる設計に基づく 低イニシャルの実現
- 電力、蒸気、ガスの効率的利用を計画に組み込んだ環境負荷の少ないランニングの実現
(6)工場全体・環境のマッチング
- クリーンルーム機能を持ったラインを、単体として捉えるのでは無く、工場全体の一部分の機能と捉える事で、他のラインや他の設備機器、全体の使用エネルギーとの関連性を検討
- クリーンルーム及び既設他ラインの給排気,消費電力,デマンド,蒸気,給排水,排熱,冷水の把握と有効活用手段の検討
- 環境対策に着目した際の、問題点の精査及び環境側面・ランニング側面よりの稼働を見越した効率的稼働の検討
- クリーンルームを設置する事による設備導入に伴う環境負荷の増(CO2,排熱,ガス)と、生産機械よりの排気に含まれる温室効果 ガスやVOCの処理を放置せず、二次的提案要素の検討