クリーンルームとは何か/クリーンルームの考え方
医薬品充填クリーンルーム
クリーンルームとは価値を再生産する空間であり、企業の社会的価値と投資目的に基づいた利益を産みだす生産手段そのものであると認識しています。
クリーンルームの設置は、一方で企業の理念哲学により一方では現実的生産ラインの戦略目標によってその内容レベルが決定されます。
クリーンルームの質レベルとは何か
茶包装充填クリーンブース
クリーンルームの質とレベルは、理念と生産戦略に比例して決定されるものであり、決して一様ではありません。
いわゆるレベル1「山手線にゴマ1粒」(日経新聞)から、クラス100、1,000、10,000、更には、清浄度設定までは求めないが、周囲のダーティーゾーンと隔離する「クリーンブースゾーニング」という概念まで含まれるものです。
クリーンルームの目的と方法
自動ラック倉庫前室
放冷室出口・クリーン包装室
目的を一言で言えば製品を汚染物質(異物)から隔絶することであり、要求される質に応じて清浄度と方法を決定する手法をとります。
又、高品質確保と投資目的・利益確保の為に、効率的なレイアウト動線計画と省エネ設計及びユーティリティー計画を表裏一体として策定します。
手法として、食品対応のHACCP手法、医薬品対応のGMP対応、溶剤乾燥、コンバーティング対応、それぞれの条件に応じたハード・制御・ソフトの採用及び各ライン毎の設計思想をもってプレゼンテーションを行います。
汚染物質・異物認識
サニタリールーム
入出荷前室・シートシャッター
汚染物質「異物」とは、概念的には製品以外のもの全て、製品にとっての異なるもの全てということになります。
その中で許容される物質と状態条件を特定し、クリーンルームのレベルと質を決定します。
一般に「クリーン」の概念は、異物を持ちこまない、増殖させない、侵入物は速やかに除去することが原則です。
汚染物質・異物とは、大気中の塵埃・菌類・虫・熱・水分・溶剤・人体より発生する菌・汗・唾液・粉塵・塗料・異物全般、そして室内に流出した製品そのものと、極めて多様であり、条件によってその量は不連続的に変化しつづけるやっかいなものです。
よって、クリーンルームはそのクリーン再生状態が一担停止すると、ダーティー再生産ルームに機能を変化させるものでもあります。
クリーンルームの設計手法及び装置設計
牛乳殺菌充填クリーンルーム
自動パルス集塵ユニット
レイアウト・動線・ブースの検討
- 食品、医薬品、半導体を問わずこの検討が第1条件であり、ラインの効率的配置、生産性を考慮した最重要条件です。
- 新設・改修を問わず建築基準法、消防対応、保健所対応もこの時点で設計条件に組込みます。
- 溶剤危険物対応、位置とりゾーニング、室内の洗浄薬品対応も同時に検討します。
- 工場内作業環境、近隣環境、及び社会的環境対応も検討します。
空気条件の検討
- 防虫防塵清浄度及び各ゾーンの優先順位の決定
- 発生源である熱、水分、薬品の負荷特定と温湿度条件の検討及び通年条件の決定
- オールフレッシュ方式、循環方式、OA取入方式、EA処理方式の一体検討
- 対流方式、陽圧、中圧、負圧のゾーン検討
- 粉体処理、薬品対応の特殊条件の検討
クリーンブース及び装置対応の検討
- ブースの検討
- クリーンルームと前室、輻射熱、顕熱、潜熱、異物発生区域とのゾーニング
- 断熱性、非断熱性、SUS〜フッ素鋼板、不燃、耐火、標準仕様の検討
- フィルターの検討
- OA処理、プレ、中性能、HEPA、ULPA、耐熱仕様
- 空調方式の検討
- 熱源機器、熱交換機器、空気フロー
- 安全性、効率、省エネ性、緊急対応性耐久性
- OA、EA、排熱、除湿、除塵
- 計装制御、ソフト条件
- ユーティリティーの検討
- ダクト、冷媒、冷水、スチーム、排水、電源
- ブース天井裏をユーティリティーゾーン活用
- メンテナンス保守検討
- メンテナンスは、クーリーンルームの品質を維持再生産する最大機能
- 設計段階にてメンテ方法、メンテスペース検討
- イニシャルコストの検討
- 目的と質を前提とした上での低イニシャルの検討
- 付帯装置の検討
- 塵埃の滞留しにくく洗浄が要易な床R構造
- サニタリ−室、エアーシャワー、シートシャッター、ドックシェルター、薬品、油、温水に対応した塗床仕様
- クリーンルーム、クリーンブースの有効活用手段検討
レトルトクリーンブース
入出荷ドックシェルターのスライド扉
アルコール消毒器
氷蓄熱空調1740RT